アルコール依存症は肝硬変や膵炎などの身体的ダメージだけでなく、飲酒運転や自殺、DV、離婚などの多くの社会的ダメージも及ぼします。
プロフィールでも少し書いていますが、私は7年間アルコール依存症の人と結婚生活をして、その間に子供も授かりました。
身近にアルコール依存症の人がいらっしゃらない方は、ピンとこないと思うのですが
アルコール依存症は病気なので病院で治療が必要です。
私もそのことを知ったのは家庭が崩壊して離婚した後でした。
私のように我が子に悲しい思いをさせないように、
少しでもアルコール依存症に関係のあるご家庭に
「あのときこうしたらよかった」
というようなことを書いてみたいと思います。
気が付かないうちに家族がアルコール依存症に
仕事と子育てに追われ、配偶者がアルコール依存症になりどんどん重症化していくのを止めることが出来ませんでした。
もともとDV傾向があり、結婚した私も共依存していただろうことも飲酒を強く止めることが出来なかった原因の一つだと思います。
私自身があまりお酒に強いほうではなく、
周りの女友達も酒豪が多かったので沢山飲めることが逆にすごい!
と思ったり言われたりする環境でもありました。
毎晩の晩酌は当たり前でしたが、
結婚前から洋酒をストレートで飲んでいるのを知っていたので、
コントロールできない状況になっていることに全く気が付きませんでした。
DVも結婚3年目より日常的にあったので、何も言えない状況でした。
そしてとうとう7年目で仕事を辞めて無職になり、一日中飲むようになったのです。
仕事を辞める前に病院に連れていっていたら
一日中家で飲酒して、古い借家でクーラーをつけっぱなし、夜中も電気をつけっぱなしです。注意すると暴れます。
その夏の電気代は一か月5万円、暴れて割れた窓ガラスの修理費は2万円でした。
私は自身が小さいころに両親が離婚しており、
自分の子供には片親で居てほしくないと思うあまり離婚はしたくなかったのです。
しかし、暴れて警察を呼ばないと何ともできない状況が何回かあり、
友人にも「子供にも悪影響がでるから離婚したほうがいい」と言われました。
一番「これはまずい」「離婚しないと」と感じたのは職場の先輩の言葉でした。
先輩はこう言いました。
「仕事を持った女性でずっとアルコール依存症の旦那さんと離婚せずに子育てしてきた人がいる。その旦那さんはいまは寝たきりの廃人のようになっているので今更離婚も出来ない。夫を廃人にする前に、お互い離れてそれぞれで生きていくほうがお互いのためでもあるよ」
自分さえ我慢すれば、今月の生活費がまかなえれば、と仕事も家庭も必死でやっていたことがすべて悪いほうに行っているんだと、愕然としました。
DVの妻にありがちな「私がいないと・・」という共依存状態です。
その時にやっと離婚を決意しました。
その時の決断は間違ってはいなかったと思います。
あの時は私だけではどうすることもできない状況になっていました。
もう手遅れです。
離婚した後で、知り合いの旦那さんがやはりアルコール依存症になりました。
その奥さんは夫を説得して病院で治療を受けさせて、今も幸せな家庭を続けています。
別の家族は、暴れる本人を親戚中で無理やり病院に入院させて治療させたそうです。
西原理恵子さんという漫画家の結婚相手もアルコール依存症になり、
その人は離婚したあとで自力で病院で治療をうけて、家族は再開しています。
私は、夫がアルコール依存症でどうしようもなくなるまで気が付かず、気が付いても
どうしたらいいのか全く知識がありませんでした。
元夫が仕事を辞めてしまう前に病院に通わせたら良かったと
今では思います。
元夫は離婚した後で実家に戻りましたが、数年後に亡くなっています。
私は彼が仕事をすることも、飲酒をコントロールすることもできない事が不思議でした。
なぜできないのかを全く分かっていませんでした。
アルコール依存症は脳が委縮する怖い病気
アルコール依存症は飲酒をコントロールする脳の神経も壊してしまい、
さらに飲酒を続けていくと脳が委縮して簡単な計算や日常生活も支障をきたすようになる病気です。
自己コントロールができない、弱くてダメな人間が依存症になるとよく言われます。
私は状況がそろえば、だれでもなりうる病気だと思います。
海外よりも日本は飲酒に対して規制もほとんどなく、手軽に毎日飲酒できます。
テレワークが増えて、単身赴任中のエリート会社員が
帰省して家族に会うことも出来ず
何か月も一人で単身赴任先で依存症やうつになる人もいるそうです。
とにかく発見したら、無理やりでもなんでも、早めに病院に連れて行ってください。
家庭崩壊する前に。
アルコール以外は問題ない夫なら幸せな家庭が戻ってきます。
アルコール依存症の家族のお話でした。
コメント